買い付けよりも大事な、両嫁のお使いも無事終わり、少しの遊びの時間にALDEN SHOPに行ってきました。言わずも知れたアメリカを代表するシューメーカーです。松浦も大好きな靴です。
BEAMSの関西で初めてクロージングを専門的に扱うお店『BEAMS EX』のオープニングスタッフとして19歳から働き始めました。ズブの素人が洋服の知識はもちろん、立ち振る舞いや人とのつながり、何より『洋服屋とは』を真剣に考え、教えて頂いた大切な時期です。
ある日、いつもスーツでカチッときめている先輩が休日でお店に来られました。ボレリのボタンダウンにマークゴンザレスのロンTを重ねて、マハリシの龍が刺繍されたカーゴパンツ。ビーサンにキャップの出立ち。”パンチはあるけど”と思っていたところに先輩の顧客さんが来られ、ちょこちょこと立ち話をしてオーダールームへ。先輩は仮縫いのジャケットを顧客さんに着せ、そのままの出立ちで針を刺し、フィッティングし始めました。
衝撃的でした。”あんな格好のまま30万のスーツのオーダー始めていいの?”と。
後からその時の事を聞いた事があります。あんなんありですかと。すると先輩は
『人はまず、見てくれで判断するやろ。それは清潔感があるかどうか。おしゃれは二の次。プロの服屋はそこからどう信頼されるかを考えなあかん。キャップ被っててもスーツ売れるようになったら本物や。ほんまのかっこええはにじみ出てくるもんやからな』
ホントしびれました。カッコいいとはこういう事だと思いました。
あれから15年が経ち、まだまだ、そうはなれていないと思います。これからです。
ただ、少しでも何かを伝えていく事が先輩達への恩返しであり、服屋であり続ける意味だと思います。そして、酒の席でねちねち聞かされた後輩、これから聞かされる後輩、そうゆう事なんで我慢です。うん、しゃーない。
カレー食べてる場合ちゃうよ。今、いい話。
続く。
0 件のコメント:
コメントを投稿