2011年5月7日土曜日

アメリカ買い付け4月 Vol.8

サンフランシスコの続き。

買い付けよりも大事な、両嫁のお使いも無事終わり、少しの遊びの時間にALDEN SHOPに行ってきました。言わずも知れたアメリカを代表するシューメーカーです。松浦も大好きな靴です。


日本だとこういう店に入ると緊張感、圧迫感があるのですが海外だとホントにフレンドリーでゆったりと見れます。松浦も軽い感じでと試着をしてみたのですが・・・そこはさすがALDEN。接客が始まると紳士的な応対でフィッティング専用のボックスに座り、シューホーンまで入れてくれます。松浦は靴に触れずに試着をしていました。『プロやな〜』と感心するのと同時に服屋に入った当初の思い出がフラッシュバックされました。

BEAMSの関西で初めてクロージングを専門的に扱うお店『BEAMS EX』のオープニングスタッフとして19歳から働き始めました。ズブの素人が洋服の知識はもちろん、立ち振る舞いや人とのつながり、何より『洋服屋とは』を真剣に考え、教えて頂いた大切な時期です。

ある日、いつもスーツでカチッときめている先輩が休日でお店に来られました。ボレリのボタンダウンにマークゴンザレスのロンTを重ねて、マハリシの龍が刺繍されたカーゴパンツ。ビーサンにキャップの出立ち。”パンチはあるけど”と思っていたところに先輩の顧客さんが来られ、ちょこちょこと立ち話をしてオーダールームへ。先輩は仮縫いのジャケットを顧客さんに着せ、そのままの出立ちで針を刺し、フィッティングし始めました。
衝撃的でした。”あんな格好のまま30万のスーツのオーダー始めていいの?”と。
後からその時の事を聞いた事があります。あんなんありですかと。すると先輩は
『人はまず、見てくれで判断するやろ。それは清潔感があるかどうか。おしゃれは二の次。プロの服屋はそこからどう信頼されるかを考えなあかん。キャップ被っててもスーツ売れるようになったら本物や。ほんまのかっこええはにじみ出てくるもんやからな』
ホントしびれました。カッコいいとはこういう事だと思いました。

あれから15年が経ち、まだまだ、そうはなれていないと思います。これからです。
ただ、少しでも何かを伝えていく事が先輩達への恩返しであり、服屋であり続ける意味だと思います。そして、酒の席でねちねち聞かされた後輩、これから聞かされる後輩、そうゆう事なんで我慢です。うん、しゃーない。




カレー食べてる場合ちゃうよ。今、いい話。
 
続く。

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